レーシックは両目に限ったことではないブログ:19年11月18日
ボクは普通とは少し違う育ち方をした。
ボクは幼い頃に養子縁組された。
養父母、養祖父母、みんながボクを気にかけて、
ボクを思い、大事にしてくれた。
ボクは幸せだった。
でも…
自分は養女なのだと知った、
その日の記憶は、
今でもおぼろげに残っている。
「そうなんだ、ふぅん…」
まだ、ボクは小学校に上がる前だったように思う。
幼いながらに動揺し、
その心の揺れを感じ取られまいと、
気丈に振舞った記憶がある。
事実を知った日から、
周囲に遠慮や義務感を覚え、
みんなを悲しませてはいけない…
ボクはそう思って生きてきた。
育ての親にも、産みの親にも気を使う自分にうんざりし、
どうして自分はこんな境遇なのかと憤ったが、
そんな気持ちは押し隠してきた。
そして今、
子育てに追われる連日、
時折、幼少の頃のボクが顔を出す。
いまだに過去にとらわれている自分を情けなく思うが、
本当はまだ、過ぎ去ってはいないのだ。
ボクの思いは現在に続いていて、
永遠に満たされることはないのだろうか…と、
鬱な気分に陥る。
1週間くらい前、夫婦喧嘩をした。
夫は、
「釣りに行ってくる」と言い残し、
さっさと気分転換に出掛けてしまった。
ボクには娘がいる。
ボクのそばを一時も離れない。
ボクはここでじっと我慢するしかないの!
夫に対する怒りは、
やがて、自分の過去への憤りに変わった。
真夜中遅く、電気を消し、
そして、泣けるだけ泣いた。
しばらくして、
ふと…何か温かい風が吹いたように感じて顔をあげると、
3歳になる男の子がそこにいた。
うずくまり、
ミノムシみたいな格好で泣いているボクの顔を覗き込み、
男の子は両手を広げて、
ぎゅうっと抱きしめてくれた。